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2019-08-02

オジロワシのキットをご購入の皆様へ

ワンフェス2019夏 にてオジロワシのキットを販売しました。ご購入いただいた皆様誠にありがとうございました。(ちなみに2015年大学時代に制作した作品です。2019は展示作品がメインだったので、今回の販売は過去作のみとなってしまいました。次のワンフェスでは、新作を頒布できるように頑張ります。)

今回ご用意したのは、20個で、ワンフェス会場で19個、海外の方からのツイッター上でのご注文で1個おかげさまで合計20個完売いたしました。ありがとうございました。

このキットはご覧尾の通りオジロワシの胸像で、半分が骨、半分が生きている状態の動物になるように造形しています。ですので、絵で言うところの余白に当たる部分が多いです。余白の部分にはディティールが施されていないので、写真のように、塗装で情報量を増やしてやることで、全体が引き締まります。

今回ご購入いただいた皆様には未塗装のオジロワシをお渡ししております。塗装はそれぞれの好みでやられると良いかと思いますが、上記の写真のような状態で塗装したいという方のために、わたくしが行った塗装の流れをこの記事にてご紹介しようと思います。

(写真が揃っていないので、1日では書ききれないかと思います。なんとか今月中旬までには完全な記事になるよう努力する所存ですので、ご容赦ください。)

 

1.湯口除去

まずレジンキャスト製キット特有の湯口の処理。ほとんどの湯口は、販売前にカットしましたが、嘴の先端は丁寧にカットして、ヤスリ掛けする必要があるため、皆様自身でカットしていただく必要がございます。

嘴の先端に不自然な「四角い突起」がある

本体まで切らないように、ちょっと残し気味に、ニッパーでカット。後でヤスリ掛けする。

400番程度のヤスリで段差が無くなるまで削る。

湯口を正常に除去すると写真のような状態になります。

2.脱脂

購入したままのキットをには、離形用の油がべっとり着いています。このままでは塗装が出来ません。ですので、専用の「レジンウォッシュ」を購入していただくか、ポリデントなどの洗浄剤に一晩ほど漬けていただいて脱脂していただく必要があります。レジンウォッシュは、繰り返し使用できるので、今後もガレージキットを塗装されるご予定があれば、買っておいて損は無いと思います。

レジンウォッシュかポリデントに漬けて表面の油分除去します。

3.骨面余白の塗装

まずは骨がある面の平らな(余白)の部分を塗装します。

余白部分を塗装した状態

この大理石風の塗装ですが、簡単に言うと下地をホワイト(ラッカー)で塗装した後、綿を使ってマスキングし、ミッドナイトブルー(ラッカー)などの暗い色でエアブラシ塗装しています。(スプレーの場合は濃く塗り過ぎないように注意)

この時、骨部分に色が乗らないようにする必要がありますが、形が複雑なので、文房具用の「ネリケシ」をしようします。ネリケシで骨の部分のみをすっぽり包み込んでください。(この時。スプレーの切りが裏側に回り込まないように、余白の縁の部分もネリケシでグルっと一周マスキングして下さい。)

大理石風塗装に使う綿↓

綿を指で拡げ、ラッカークリヤーなどを吹き付けて綿の繊維どうしを絡めて固定したもの。丸い穴が出来るように指で、綿の繊維をチネる。

綿が被っている部分が白く残る。

ミッドナイトブルーを吹き付けた状態。
ネリケシに綿をくっ付けることで、綿が浮かずに、しっかりマスキングできます。

この後マスキングをせずに、薄くミッドナイトブルーを吹き付けて、クッキリし過ぎた明暗をマイルドにします。

仕上げに、マスキングのせいで色が乗らなかった、骨と余白の境界部分に、細い筆でミッドナイトブルーを塗ったら、余白の塗装は完了。

4.骨面の骨の塗装

特に難しいことはありません。エナメル塗料の「クリヤーオレンジ」を主体に墨入れをし、局所的に濃く墨入れしたい部分に「ブラウン」で墨入れします。(前述の余白の塗装はラッカーなので、エナメル塗料の溶剤では、塗装が剥がれません。安心して骨部分を塗ってください。)

墨入れの仕方ですが、エナメル塗料をエナメル溶剤でシャバシャバに薄めて、骨全体に筆塗りするだけです。

薄め具合の目安ですが、「薄すぎて、ディテール以外にはほとんど色が乗らないくらい。」シャバシャバに薄めたクリヤーオレンジを骨全体に筆で塗って、骨全体が薄っすら黄ばみ、ディティールがオレンジになっていれば、成功です。

その後、ブラウンで、眼窩、上顎と下顎の間、頚椎の関節など、特に溝が深い部分をさらに墨入れして骨の塗装は完了。

5.生きている方の面の塗装

使用する塗料は水彩絵の具で、使う道具は筆です。

小学生がよく使う水彩絵の具を、模型用の水性アクリル溶剤で薄めます。(水で薄めると、レジンが絵の具をはじいてしまいます。)

水性薄め液

これらで塗装する前に、プライマーを下地に塗っておくと、塗膜が補強され、塗装はげしにくくなります。今回の塗装見本ではプライマーは使用していません。

プライマー

それでは塗装の仕方について画像を使って説明します。

淡い色から先に塗っていくと大きな失敗をし辛いです。

①まずは眼以外の塗装です。

塗り方としては下記の画像に記載の色を、キットの表面上で混ぜ合わせていく形です。キットは紙とは違い、絵の具を吸い込まないので、水彩絵の具でも油絵のように塗る対象の表面上で色を混ぜることができます。嘴の色が黒っぽいところなどはこの塗り方ならではのグラデーションです。

②続いて眼の塗装です。

イメージとしては左上から、鷲の眼に光が当たっている状態を想像してください。瞼によって虹彩に影が映りこみます。そして角膜というレンズを通して虹彩に、濃い茶色、黄土色、薄黄土色の明暗の差ができます。このようなことを想像しながら、google画像などを参考に塗りましょう。

③最後に台座部分の木目塗装です。

基本的には、茶色で木目の線を引き(太くても大丈夫)、その線を薄め液をふくませた筆で撫でることで、溶かしながら、伸ばしていく形です。最初に引いた茶色の線が極細に残るようにやると綺麗。

以上になります。

完成した状態

たいへんかもしれませんが、1日もあれば終わると思いますので、頑張ってください。もちろんディティールごりごりのウチのキットは未塗装で飾るのもおすすめです。

最後に、新作の構想をこの場でご紹介します。このオジロワシの「半獣半骨ヘッドモデル」の続編として、

「虎」と「竜」を作るつもりですどうぞお楽しみに。

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